こんにちは。
今回は、実際にご相談をいただいたケースをもとに、「美容医療が初めての方が感じた不安」について、形成外科専門医としてどのように向き合ったかをお話しします。
きっかけは「マスクを外す怖さ」から
コロナが明けてマスクを外す機会が増えた頃、
「鏡を見たら、あれ?こんなに口元がたるんでた?」
「人前でマスクを外すのが怖い」
そんな風に感じて、当院にご相談に来られた40代の女性がいらっしゃいました。
美容医療は全く初めて。
「でも何とかしたい」というお気持ちで、勇気を出して来てくださったのが印象的でした。
診察で大切にしている視点
形成外科専門医として診るとき、単に「たるみがある・ない」だけでは評価しません。
✔ 皮膚のハリや余剰
✔ 脂肪の下垂・減少
✔ 筋肉の動きや過緊張・弛緩
✔ 支持靭帯のゆるみ
✔ 骨量の減少
さまざまな要素が組み合わさって、「口元のたるみ」や「フェイスラインの崩れ」という形になります。
この患者様の場合、長いマスク生活で表情筋の動きが抑制されていた影響もあり、口角周囲の脂肪や皮膚の支持が少しゆるんで下垂している状態でした。
カウンセリングで心がけたこと
まず大事にしたのは、治療をいきなり勧めるのではなく、しっかりお話を伺うことです。
✔ これまでの病歴や体質
✔ 日常生活での表情の使い方
✔ 普段のスキンケアや生活リズム
✔ どの程度の変化を希望されるか
✔ ご予算の範囲
診察でお伝えしたのは、
「口元のたるみは一部分の問題でも、顔全体の支持構造を評価してデザインする必要がある」
ということでした。
糸リフトで支持靭帯を補強する方法もお話ししましたが、初めての美容医療という不安もあり、「段階的に慣れながら進めたい」というご希望を尊重しました。
ご提案した治療プラン
診察の結果:
✔ 皮膚の弛みは軽度
✔ 支持靭帯のゆるみも初期
✔ 表情筋のバランス変化による口角周囲のボリュームロスが主体
そこで今回は、「段階的に慣れながら進めるプラン」として
① HIFUによる皮膚とSMAS層の引き締め
② 口元のボリュームロスに最小限のヒアルロン酸補充
という組み合わせをお話しし、納得いただいて進めました。
施術後の変化と患者様の声
施術後には、
「マスクを外すのが怖くなくなった」
「顔が引き締まって、表情まで明るくなった気がする」
「肌がきれいになって、メイクが楽しくなった」
と、笑顔でお話しくださいました。
私も本当にうれしかった瞬間です。
形成外科専門医として大切にしていること
たるみ治療は単に「引っ張る」「埋める」ものではありません。
✔ 皮膚
✔ 脂肪
✔ 靭帯
✔ 筋肉の動きやバランス
それぞれの層を診断し、「どこにどうアプローチするか」を設計することが大切です。
また、一度で完璧に仕上げるのではなく、患者様のペースで無理なく「育てるように」進めていくプランも大切だと思っています。
糸リフトが適している方もいれば、まずは段階的な治療から始める方もいます。
どんな場合も、正直に診断をお伝えし、最適な方法を一緒に相談しながら決めていきたいと考えています。
美容医療が初めての方へ
美容医療は、初めての方ほど不安が大きいものです。
当院では、お一人おひとりの背景やご希望をしっかり伺い、専門医としての視点から無理のない治療をご提案しています。
もし「マスクを外すのが怖い」「自分も少し気になっている」という方がいらっしゃれば、どうぞ安心してご相談ください。
当院のHIFUについて
当院では「ニューダブロ」というHIFUを使用し、医師が出力を細かく調整してお顔の状態に合わせた引き締めを目指します。
複数の層(筋膜や脂肪層、真皮)を狙ってアプローチすることで、自然なリフトアップと小顔効果を引き出します。
「まずは負担の少ない方法から試したい」という方にもおすすめです。
AKI NATURE CLINIC 院長 今泉明子